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川井 龍介

(かわい・りゅうすけ)

@ryusukekawai

ジャーナリスト、ノンフィクションライター。神奈川県出身。慶応大学法学部卒、毎日新聞記者を経て独立。著書に「大和コロニー フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)などがある。日系アメリカ文学の金字塔「ノーノー・ボーイ」(同)を翻訳。「大和コロニー」の英語版「Yamato Colony」は、「the 2021 Harry T. and Harriette V. Moore Award for the best book on ethnic groups or social issues from the Florida Historical Society.」を受賞。

(2021年11月 更新)


この執筆者によるストーリー

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第7回 南部加州の日系人~その3

2014年10月3日 • 川井 龍介

第6回 「南部加州の日系人 ~ その2」を読む >>  ロサンゼルスに登場した幾種類もの日系人団体  ロサンゼルスに移住した日本人が排日の圧力など抗し、自らの権利を擁護するために「南加中央日本人会」を組織し戦争開始までその役割を果たしたことを前回紹介した。そのほか、ロサンゼルスには戦前から戦後を通じて、あるいは戦後になって経済、教育、宗教などさまざまな領域で日系人による各種団体が誕生し活動してきた。 「百年史」が細かくまとめているこうした団体の役割…

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第6回 南部加州の日系人~その2

2014年9月12日 • 川井 龍介

第5回 「南部加州の日系人 ~ その1」を読む >>アメリカにわたった日本人は、出身地や宗教、職業などを基準として多くの団体を組織していくが、その一つにロサンゼルスでは「南加中央日本人会」という組織が早くに誕生、さまざまな分野で戦争直前まで活動をつづけた。 「米國日系人百年史」第二章の「南部加州」では「第三節 南加中央日会の足跡」として、日系移民がまとまって相互扶助や権利の向上、そして生計の安定などのために奮闘してきた歴史をまとめている。 そのなかからおもだ…

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第5回 南部加州の日系人 ~ その1

2014年8月22日 • 川井 龍介

第4回「北部加州の日系人」を読む >>「米國日系人百年史」(1961年)を編集した新日米新聞社がロサンゼルスを拠点としたということもあるだろうが、ロサンゼルスを中心とする本書の第二章「南部加州 (SO.CALIFORNIA)」は、全1431ページのうち440ページにもわたっている。 なぜこれだけの分量になるかというと、そのほとんどが紳士録的なページで、南カリフォルニアで事業に成功した現地での著名人をはじめさまざまざな分野で活躍してきた日本人、日系人についての紹…

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第4回 「北部加州」の日系人

2014年8月8日 • 川井 龍介

「米國日系人百年史」(1961年発行)は第一篇「総論」と、第二篇「各州日系人発展史 地方篇」の二つに大きく分かれる。このうち、全体の約3分の2にあたる1000ページほどをさいて全米各州別に日本人、日系人の百年の足跡をたどっている。ページ構成をみると、カリフォルニア州だけが北部、南部、中部とわけられ全体の約半分を占め、残り半分が他の州にあてられている。 各州とも「最初に日本人がこの州に踏み入れたのはどこで、どういう日本人が何のために移住してきたのか」といった、日本人移住(移…

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第3回 移住、被爆体験、平和運動へ ~ ジャーナリスト、加藤新一の仕事(下)

2014年7月25日 • 川井 龍介

第2回 「加藤新一の仕事(上)」を読む >>  新日米新聞社の編集主幹として「米國日系人百年史」を取材、執筆、編集した加藤新一は、太平洋戦争を挟んで日米を行き来して生涯を終えた。アメリカに対する思いは被爆体験からすれば複雑だったはずだが、アメリカの民主主義を評価し移住した日本人・日系人の足跡を記録、後半生は平和運動に尽力した。 加藤は1900(明治33)年9月広島市に生まれる。1916(大正5)年、修道中学1年のとき、すでにカリフォルニアのフレス…

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第2回 全米を9ヵ月、4万マイルにわたり取材 ~ ジャーナリスト、加藤新一の仕事(上)

2014年7月11日 • 川井 龍介

1961年末にロサンゼルスの新日米新聞社より出版された1431ページにおよぶ「米國日系人百年史」のあとがきを「編者」として、取材、執筆にもあたった加藤新一がまとめている。 そのなかで加藤は、「戦後は米本土の殆ど全域に及ぶ米國日系人の歴史を、今にして誰かが綴り残さなくては、日本民族が、この北米大陸に苦闘を重ねて築いた貴い『百年』の歴史を湮滅することを恐れた」と、使命感を示している。 また、どのような出版物にするかについては「百年の奮闘報告書」として、日本へ向けて日系人の歴…

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「米國日系人百年史」を読み直す~パイオニアたちの記録をたどって
第1回 日米修好100年を記念しまとめた1431ページ

2014年6月27日 • 川井 龍介

日本からアメリカ本土への最初の移民からすでに150年ほどが経つ。いま、初期の移民1世は鬼籍に入り、2世の謦咳に触れることも少なくなった。危惧するのは世代を経るにしたがって、言葉の壁もあってパイオニアである1世の記録が遠くなり忘れ去られていくことである。 日本とアメリカを生き、結果として橋渡しをした1世の人生は、日系人と日系社会の原点であり、大いなる冒険者としての記録でもある。その意味で、いまここで1世たちの足跡を振り返ってみる。その方法はいろいろあるだろうが、私は一冊…

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テキサスに夢をみた100年前の日本人: 米作ブームを機に野菜栽培、そして油田も ~その4/4

2014年1月3日 • 川井 龍介

その3を読む>> メキシコ国境に描いた夢 100年以上前のアメリカへの日本移民、特に入植地を求めるような人たちの足跡を調べると、よりよい場所や機会を求めて地域や州を越えて大胆な移動をしていることが分かる。また、通信手段の乏しいなかで、情報交換もかなり行われていたようだ。 今日からすればこんな所へもチャンスを求めて入植したのかと思える場所がある。テキサス州のなかでは、メキシコ国境に沿って流れるリオグランデ川がメキシコ湾に注ぐあたり一帯は、地図上で見る限り国境にも近く意外な入…

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テキサスに夢をみた100年前の日本人: 米作ブームを機に野菜栽培、そして油田も ~その3/4

2013年12月27日 • 川井 龍介

その2を読む>> 山本五十六も2度訪れる 当初は米作にしぼり成功したが、のちに野菜作りに転換した。この間、日本人をはじめメキシコ系、アフリカ系、ヨーロッパ系の労働者も雇った。吉松氏はコロニーのために強いリーダーシップを発揮し、一方で地域にはさまざまな面で貢献しアメリカ社会に積極的に溶け込んでいった。 1924年には土地を提供してキリスト教の教会を建て、その運営にも私財を投じた。また、1928年にはコロニーの近くの学校に土地を譲渡している。彼自身は仏教を信仰していたが、子供…

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テキサスに夢をみた100年前の日本人: 米作ブームを機に野菜栽培、そして油田も ~その2/4

2013年12月20日 • 川井 龍介

その1を読む>> 栄えたウェブスターの日系コミュニティー 西原が入植したウェブスターは、ヒューストンから南東へ車で30分ほど。そのまま南へ進めば、メキシコ湾に突き出たガルベストンの町につく。グレン・キャンベルのヒット曲「ガルベストン」に歌われた町だ。 ヒューストンからは真っ平らな土地をひたすら走ればいい。私が訪れたのは7月の初めで、照りつける陽射しがきつかったが、日本ほどの湿気はない。 ウェブスターには、西原以外にも数多くの日本人がかつて農業を営んでいた。いまもそのうち…

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