移動する人々:戦後帰米と戦後の日系移民
「移民」というと、ある国から別の国へと移住したきり、のようなイメージを持たれる方もいるかもしれない。それぞれの国ごとの移民史では、そこに定住した人々の物語は記録されていきやすいが、行ったり来たり、また国や地域をまたいで移動し、生きていく人々の物語は、そのはざまの文化と言語の中で見えづらくなることもある。
ロサンゼルスの日本人コミュニティーと日系人コミュニティーの両方で暮らす中で、また全米日系人博物館での仕事を通して、「二世」「三世」「帰米」といった歴史的によく使われる言葉に付随する典型的なイメージとは異なった、それぞれの個人ごとの豊かな物語を持つ人々に出会う機会が数多くある。このシリーズでは、そうした環境の中で出会った、主に日本語を第一言語とする戦後の帰米・日系移民の方々の物語を記していきたいと思う。
このシリーズのストーリー
清野敏幸さん — その1:父の移民と母の帰国
2022年3月7日 • 三木 昌子
「移民」というと、ある国から別の国へと移住したきり、のようなイメージを持たれる方もいるかもしれない。それぞれの国ごとの移民史では、そこに定住した人々の物語は記録されていきやすいが、行ったり来たり、また国や地域をまたいで移動し、生きていく人々の物語は、そのはざまの文化と言語の中で見えづらくなることもある。 ロサンゼルスの日本人コミュニティーと日系人コミュニティーの両方で暮らす中で、また全米日系人博物館での仕事を通して、「二世」「三世」「帰米」といった歴史的によく使われる言葉…