日系(ニッケイ)—をめぐって
日系ってなんだろう。日系にかかわる人物、歴史、書物、映画、音楽など「日系」をめぐるさまざまな話題を、「No-No Boy」の翻訳を手がけたノンフィクションライターの川井龍介が自らの日系とのかかわりを中心にとりあげる。
このシリーズのストーリー
第45回 『暗愁』の訳者、前田氏にきくー その3
2024年3月22日 • 川井 龍介
ハワイ生まれの日系アメリカ人2世の女性が、戦争を挟んで苦難の人生を生き抜く姿を描いた、ジュリエット・コーノ作の小説『暗愁』。10年をかけてその翻訳を手掛け、昨年末出版にこぎつけたアメリカ文学研究家の前田一平氏に、作品の魅力や日系文学などについてきいた。 ヘミングウェイとジョン・オカダ ――前田さんは、アメリ文学の古典でもあるヘミングウェイの研究をはじめアメリカ文学の研究を専門とされ、日系アメリカ人の文学の研究もされていますが、そもそもこうした文学研究をするようになっ…
第45回 『暗愁』の訳者、前田一平氏にきく — その2
2024年3月8日 • 川井 龍介
ハワイ生まれの日系アメリカ人2世の女性が、戦争を挟んで苦難の人生を生き抜く姿を描いた、ジュリエット・S・コーノ作の小説『暗愁』。10年をかけてその翻訳を手掛け、昨年末出版にこぎつけたアメリカ文学研究家の前田一平氏に、作品の魅力や日系文学などについてきいた。 * * * * * 拡散する日系文学 ——以前、このコラムで日系オーストラリア人作家であるクリスティン・パイパー氏の『暗闇の後で』という作品を紹介しました。「日系」がテーマとなる作品は、さま…
第45回 『暗愁』の訳者、前田一平氏にきく — その1
2024年2月23日 • 川井 龍介
ハワイ生まれの日系アメリカ人2世の女性が、戦争を挟んで苦難の人生を生き抜く姿を描いた、ジュリエット・コーノ作の小説『暗愁』。10年をかけてその翻訳を手掛け、昨年末出版にこぎつけたアメリカ文学研究家の前田一平氏に、作品の魅力や日系文学などについてきいた。 * * * * * ヒロインの「覚醒」の物語 ——『Anshu: Dark Sorrow(暗愁)』を翻訳しようおともったきっかけはなんでしょうか。 前田: 原作の出版は2010年で、私がそ…
第44回 あらゆる苦難を受け入れ—小説『暗愁』の世界
2024年2月9日 • 川井 龍介
異色の“日系文学” 日系アメリカ人あるいはカナダ人の2世、3世の作家にとって、国家による日系人収容政策など太平洋戦争がもたらした日系人の悲劇は、主要なテーマとして作品化されている。ジョン・オカダの『ノーノー・ボーイ』をはじめ、ジョイ・コガワの『失われた祖国(Obasan)』、ジュリー・オオツカの『天皇が神だったころ』などがその例だ。 とくに収容所に関連するものは「収容所文学」とも呼ばれてきたが、こうした文学作品のなかには、尊厳を奪われた者として、…
第43回 アートを通して闘う日系3世の足跡 — 「ノブコ・ミヤモト自伝」を読む
2024年1月26日 • 川井 龍介
日系アメリカ人3世であるノブコ・ミヤモトの人生は、俗にいう“波瀾万丈”だ。しかし、波瀾万丈の意味するところが、時代の波風にもまれ、おもいがけない事態に遭遇するなどの浮き沈みであるなら、彼女の場合は、これに加えて、自らの信念に基づいて波瀾を巻き起こしながら進んでいく、という波瀾万丈ではないか。 昨年11月に出版された『ノブコ・ミヤモト自伝 旅と愛と革命を歌う日系アーティスト』(和泉真澄訳、小鳥遊書房)には、1939年に生まれてからおよそ80年間の…
第42回 戦時中のオーストラリアの日系 —『オーストラリア日系人強制収容の記録』を読む
2024年1月12日 • 川井 龍介
太平洋戦争の勃発とともに、アメリカの日本人・日系人が強制的に隔離され、収容所に入れられたことはよく知られている。カナダでも同様の政策がとられたことも、アメリカでの収容ほどではないが、知られているし、また言われれば想像のつくところだ。 しかし、オーストラリアでも、同様の収容所が設けられ、日系人(日本人も含めて)が収容されていたという事実についてはほとんど知られていないのではないか。 このコラムでは、過去数回にわたって、戦時中のオーストラリアを主な舞台とした、日本人が主…
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