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『北米時事』から見るシアトル日系移民の歴史


2021年8月18日 - 2025年4月15日

北米報知財団とワシントン大学スザロ図書館による共同プロジェクトで行われた『北米時事』のオンライン・アーカイブから古記事を調査し、戦前のシアトル日系移民コミュニティーの歴史を探る連載。このシリーズの英語版は、『北米報知』とディスカバーニッケイとの共同発行記事になります。

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『北米時事』について 

鹿児島県出身の隈元清を発行人として、1902年9月1日創刊。最盛期にはポートランド、ロサンゼルス、サンフランシスコ、スポケーン、バンクーバー、東京に通信員を持ち、約9千部を日刊発行していた。日米開戦を受けて、当時の発行人だった有馬純雄がFBI検挙され、日系人強制収容が始まった1942年3月14日に廃刊。終戦後、本紙『北米報知』として再生した。


このシリーズのストーリー

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最終回(後編) 日米親善に努めたシアトル日系人

2025年4月15日 • 新舛 育雄

最終回(前編)を読む 米国から見た日本 「米人の眼に映じた在米日本人の現状・米国中学校教科書用として編算せられたる者 ―邦人の愛国心―」(1919年11月13日号1) 「愛国心は日本人の生活に取って最も大切なる者なりと聞く。去れど、日本人は出生国よりも移住国に以上の忠誠を盡す国民なり。 昔時日本が幾多の藩に分れ居たる頃、自己の藩を去りて他の藩に移りたる以上は其藩の為に生命を捧ぐるを以って至当とするの習慣ありたるが、現今に至る迄日本人は右の良習を保持しつつあり…

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最終回(前編) 日米親善に努めたシアトル日系人

2025年4月14日 • 新舛 育雄

前回は奥田平次と伊東忠三郎の功績についてお伝えした。連載最終回となる今回は、日米親善に努めた日系人についてお伝えしたい。 1937年の日中戦争勃発以後、アメリカ側から日本製品不買運動や日米通商航海条約の廃棄通告があったことは、シアトル在住日系人の社会にとって非常に住みにくい環境をもたらしたと言える。しかしシアトル日系人はこの苦境の中で常に日米親善を果たそうと懸命に努力した。 日本品ボイコット運動 「バンクーバーの埠頭で反日デモ」(1937年11月19日号1) 「…

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第23回(後編) シアトル日系人社会のリーダー ・ 伊東忠三郎

2025年2月5日 • 新舛 育雄

第23回(前編)を読む 伊東忠三郎 文献によると伊東忠三郎の略歴は次の通りである。 1871年 11月15日、山口県大島郡沖浦村に生まれる。 1893年 12月にシアトルへ上陸し理髪店を開業、同時にバス、洗濯業も兼業 1896年 日本食料品店を開業。 1900年 美術品店を開業さらに洋食店、和様グロサリー品のホールセンターを始めた。 1900年 11月に富士桂庵を開始し在米日本人の経営の手助けを行った。 1903年 山口県人会創立、山口県人会会長 …

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第23回(前編) シアトル日系人社会のリーダー・奥田平次

2025年2月4日 • 新舛 育雄

前回はコミュニティチェストとポトラッチ祭についてお伝えしたが、今回はシアトル日系人社会のリーダーとして活躍した奥田平次と伊東忠三郎の功績についてお伝えしたい。 奥田平次 文献によると奥田平次の略歴は次の通りである。 1867年 1月2日に奈良県磯城郡安倍村に生まれる。 1890年 在東京の際田村某の女性と結婚    1899年に亡くなった。 1893年 8月に渡米 1900年 パーキンス女史と結婚    シアトルで運送業開始 1901年 日本人会組織時…

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第22回 ポトラッチ祭への参加活動

2024年7月31日 • 新舛 育雄

前回は日本人会のコミュニティチェストへの貢献についてお伝えしたが、今回はシアトルで毎年7月に7日間行われていたポトラッチ祭についての記事1を見ていきたい。  ポトラッチ祭への参加活動 ポトラッチ祭とは、先住民族である北西部沿岸インディアン部族の文化的な祭りで、毎年多くの米国人客で賑わう、シアトル恒例のお祭りである。日本人コミュニティに住む人々は日本の歴史と日米親善をアピールするため、工夫を凝らした山車(だし)を作って祭りに参加し、市内をパレードするなどして米国人に大好評…

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第21回 シアトル市の共同募金への貢献

2024年7月24日 • 新舛 育雄

前回は日系人社会を支えた日本人会について取り上げたが、今回はシアトル市が主催する共同募金活動、コミュニティチェストへの日系コミュニティの貢献についてお伝えしたい。 コミュニティチェストとは 前回お伝えしたように、北米日本人会は1918年に領事館から証明保障料の分配廃止後の新たな財源確保として、コミュニティチェストというシアトル市内居住者の共同募金活動に参加した。このコミュニティチェストは、一定額を地域に還元し、その多くは小児園、託児所、少女保護、失業者の救済のために使用…

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このシリーズの執筆者

山口県上関町出身。1974年に神戸所在の帝国酸素株式会社(現在の日本エア・リキード合同会社)に入社し、2015年定年退職。その後、日本大学通信教育部の史学専攻で祖父のシアトル移民について研究。卒業論文の一部を日英両言語で北米報知とディスカバーニッケイで「新舛與右衛門― 祖父が生きたシアトル」として連載した。神奈川県逗子市に妻、長男と暮らす。

(2021年8月 更新)

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