ニッケイ物語 7—ニッケイ・ルーツ:私たちの文化の足跡をたどる
これまでの「ニッケイ物語」シリーズでは、食、言語、家族や伝統など、日系人特有のさまざまな文化を探求してきました。今回は、ニッケイ文化をより深く、私たちのルーツまで掘り下げました。
ディスカバー・ニッケイでは、2018年5月から9月までストーリーを募集し、全35作品(英語:22、日本語:1、スペイン語:8、ポルトガル語:4)が、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、キューバ、日本、メキシコ、ペルー、米国より寄せられました。このシリーズでは、ニマ会メンバーによる投票と編集委員による選考によってお気に入り作品を選ばせていただきました。その結果、全5作品が選ばれました。
お気に入り作品はこちらです!
編集委員によるお気に入り作品:
- 日本語:
150年の時を経て蘇る会津若松の魂のお茶
馬上 直(著)
- 英語:
鼓動の共有
モリ・ワルツ(著)
- スペイン語:
私の中にある日本
アケミ・フィゲレド・イマムラ(著)
- ポルトガル語:
世界を駆け巡りながら
エリエテ・セツコ・シマブクロ・タケダ (著)
ニマ会によるお気に入り作品:
- 星27個
パラナの「グルッポ・ヒカリ・デ・ロンドリーナ」の伝統行事『餅つき』
アルバ・シオコ・ヒノ、 ニルザ・マキコ・イワクラ・オカノ、 キヨミ・ナカニシ・ヤマダ(著)
このシリーズのストーリー
世界を駆け巡りながら
2018年10月18日 • エリエテ・セツコ・シマブクロ・タケダ
「折り紙はコミュニケーションと表現の手段であり、世代を超え各国の人々を一つに結び付ける世界共通の言語でもある」 —カネガエ・マリ トシは紙の鳥に乗ってブラジルに来た。 遠いブラジルのロンドリーナ市で生まれた孫娘のマリが日本を訪ねてきたとき、トシおばあちゃんは言葉ではなく、ほかの方法でこの小さな女の子とコミュニケーションをとった。トシはツルを折ったのだ。トシは、そのとき生まれた絆が、時と海を越えるとは思ってもみなかっただろう。 20年以上経ち、マリ…
肺から伊藤へ
2018年10月17日 • フラン・イトウ
私は大恐慌の時代にオアフ島で生まれた、中国系アメリカ人の3世です。祖父母は中国の広東から来ました。当時、ハワイ諸島はカメハメハ大王の子孫であるハワイ王朝によって統治されていました。私が生まれたとき、ハワイはまだ米国の領土でした。1959年8月21日にハワイ諸島が州になるまで、ハワイの住民には投票権がありませんでした。その時、私は27歳でした。 島で育った私は、とてものんびりしていました。ほとんどの子供たちは靴を履かず、付き添いなしで学校まで歩き、日本式のランドセルを背負って…
私の中にある日本
2018年10月16日 • アケミ・フィゲレド・イマムラ
ようやく待ち遠しい夏休みがやってきた。幼い少女は、早く起きたり、たくさんの宿題をやる必要がないので、とても嬉しかった。でもあり余った時間をどのように使ったらいいのか悩んでいた。なぜなら、近所の子とはあまり遊んではいけないと言われ、面白いテレビ番組は何もやってなかったからだ。古い家具や宝飾品がある応接間で遊ぶと怒られてしまうし、キッチンやトイレは危ないのでダメだと厳しく言われていた。部屋に一人でいることも許されず、その上、他の人が眠っているのでうるさくしてはならないと念を押さ…
世界中で日系人のルーツを見つける
2018年10月15日 • アリエル・オカモト
旅は、新しい場所や新しい発見のために、日常生活を根こそぎ変えてくれます。しかし、どういうわけか、私自身の旅での発見は、特に日系アメリカ人としてのアイデンティティの進化において、私にさらに深いルーツを与えてくれました。 * * * * *日本の広島。まだ半分寝ぼけている状態で、私たち高校生のうち数人がホテルからこっそり抜け出して海へ行き、湾から昇る最初の光を眺めた。日の出ずる国を訪れるなら、これは必須だと思っていた。この日本への交換留学は私にとって「母国」を見る初めての機会で…
懐かしい瞬間
2018年10月12日 • ジュディス・イチサカ
懐かしい。それは、私が「あの頃」の曲を聴くたびに感じる気持ちを最もよく表す日本語です。私の定義では、その頃というのは、1980年代や90年代の幼少期にまで遡ることもあります。日本の童謡を聴くと、すぐに私の心は音楽好きのおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に過ごした日本での夏休みの子供時代の思い出に引き戻されます。私たちは、蒸し暑くうだるような気候の中、手をつないで歩きながら、にぎやかな名古屋の街にある彼らの近所で毎日のように用事を済ませ、 「さくら」や「雨降り」などの民謡を歌っ…
日本の音楽と私
2018年10月11日 • ラウラ・ホンダ=ハセガワ
私は8歳のとき、しばらく日本語学校に通っていましたが、学芸会での唯一の思い出は、学生たちが保護者と教師の少数の聴衆の前でミュージカルや演劇を披露したことです。クラスで最も優雅な女の子は常に歴史上誰もが欲しがるお姫様の役割を引き受け、音楽の才能のある人たちは伝統的な童謡を歌いました。私はお姫様に選ばれたわけでも、歌が上手でもなかったのですが、「みかんの花咲く丘」という大好きな曲があり、学芸会の日に披露しようと家でリハーサルを始めました。 -カイ。でもそれはただの願望で、先生に…